【2026年版】日本からレトロゲームを鑑定に出す全ルート ── PSA・CGC・VGAの現状を整理

最終更新 : 2026年11月1日。受付状況・料金は流動的です。提出前に必ず各社公式サイトでご確認ください。

訂正(2026年11月1日) : 本記事は従来「ファミコン・ゲームボーイを日本から鑑定に出せる現行ルートはVGAだけ」と記載していましたが、CGCは2026年1月22日の公式発表でファミコン・ファミコンディスクシステム・日本版ゲームボーイ/GBC/GBAを鑑定対象に追加済みでした。該当箇所を修正します。確認が遅れたことをお詫びします。

「ファミコンの未開封ソフトが出てきた。PSAの鑑定に出したい」── 2026年5月にPSAが日本版レトロゲームの鑑定対応を発表して以来、そう考える人が増えています。

ところが結論から言うと、2026年11月現在、日本の個人が日本版ファミコン・ゲームボーイをPSAに出す「正規の直接ルート」は存在しません。一方で、ファミコン・GB系を含めて今すぐ使える代替ルート(CGC・VGA)はあります。この記事で全体像を整理します。

結論の早見表

ルート 対象機種(日本版) 日本からの提出 備考
PSA(米国) ファミコン・GB・GBA ほか ×(国外からの直接提出を停止中) 2026年5月に日本版対応も、受付は米国内のみ
PSAジャパン(東京) ゲームは未対応(カードのみ) ─ 当サイトの問い合わせに「開始時期は未定」と回答(2026年10月)
CGC Video Games ファミコン・ディスクシステム・スーファミ・N64・サターン・GB/GBC/GBA(FC・GB系は2026年1月に追加) ○(米国オフィスへ国際提出) 一時輸入の申告で米国側の関税を回避する運用(本部回答)。大箱など規格外サイズは不可。東京オフィスが開設準備中
VGA(CGA) ファミコン・スーファミ・ゲームボーイ・GBA(2026年10月に同社回答で確認) ○(直接国際提出) 一時輸入扱いの申告で対応。輸送・保険は自己手配

なぜPSAに直接出せないのか ── 2025年の関税ショック

背景には米国の関税政策があります。2025年4月2日に発表された関税措置を受け、PSAは国外顧客からの米国施設への直接提出を即日停止しました。鑑定のために国境を往復する荷物に高率の関税がかかり、鑑定料を大きく超える負担になるためです。少額輸入の免税枠(de minimis)も2025年に撤廃され、低価格帯でも関税を避けられなくなりました。

PSAの対応は「現地拠点化」です。カナダには保税スキームを使った提出センターを開設し、ドイツにも2026年9月に拠点を開く計画が報じられています。日本では東京・平和島に国内鑑定施設があり、秋葉原にはPSA Lounge Tokyoがありますが、2026年10月時点で受付はトレーディングカードのみです。当サイトからの問い合わせに対してもPSAジャパンから「現在ゲームソフトの鑑定は承っておらず、受付開始時期・詳細は未定。決定したらホームページ・SNSで案内する」との回答を得ています(2026年10月8日受領)。

ルート別の詳細

ルート1 : PSA(米国)── 本命だが現在は閉鎖中

日本版ファミコン・GB・GBA(裸カセット含む)に対応する唯一の鑑定会社ですが、上記の通り国外からの直接提出は停止中です。

「米国在住の知人経由」「代行業者の米国ルート経由」といった変則的な方法で出している例は存在します。ただし、輸送保険の名義・関税の負担・トラブル時の責任関係が曖昧になりやすく、高額品では特に慎重な判断が必要です。代行を使う場合は、保険金額の上限・事故時の補償・関税の扱いを必ず書面で確認してください。

ルート2 : PSAジャパン ── 「ゲーム国内受付」はまだ。ただし観測あり

PSAジャパンは東京で完全国内完結のカード鑑定を運営しています(最安の「バリュー」で1枚5,980円・約120営業日。2026年6月から停止していた受付が10月30日に再開)。ゲームについての公式発表はありませんが、次の観測材料があります。

これらから、日本国内でのゲーム受付開始は時間の問題との見方が有力です(本サイトの推測を含みます。公式発表があり次第、この記事を更新します)。

ルート3 : CGC Video Games ── ファミコンからサターンまで、日本版の主要機種を今すぐ出せる

米国の総合鑑定グループCCG傘下のCGC Video Gamesは、日本版(NTSC-J)ではスーパーファミコン・NINTENDO64・セガサターンに対応し、さらに2026年1月22日の公式発表でファミコン(カセット・ディスクシステム)と日本版ゲームボーイ/GBC/GBAも鑑定対象に追加されました。未開封・開封済み完品(CIB)のどちらも鑑定対象です(SFC・N64・SSは当サイトの問い合わせに本部が回答)。ただし大箱などの規格外サイズ、説明書・付属品単体、海賊版・リプロは不可と公式に明記されています。ファミコンの裸カセット単体の可否は公式情報で確認しきれないため、規格外サイズとあわせて提出前の個別確認をおすすめします。

提出経路について、当サイトがCGC本部に問い合わせたところ(回答は2026年10月9日・14日受領)、ビデオゲームは米国・ロンドン・ミュンヘン・ドバイの4拠点で受付可能で、本部の推奨は「最寄りのオフィスへの提出」でした(香港・東京の窓口はありません)。ただし日本からの場合、料金表や手続き情報の整備度から、実務上は米国オフィスへの国際提出が基本ルートと考えてよいでしょう。関税については「鑑定後に返送される一時輸入品として適切に申告されていれば、米国側の関税はかからない」との回答でした。つまり関税ゼロの専用プログラムがあるわけではなく、申告を正しく行う運用で回避する形です(申告は提出者の責任です)。追加回答では、インボイスに「Temporary Import(一時輸入)」と明記すること、国際提出者は自分自身を「Importer of Record(記録上の輸入者)」に指定することが推奨されています。VGA(追加書類・表記は不要との回答)より一手多い点に注意してください。

料金の目安(鑑定料のみ・2026年10月時点):

サービス 料金 条件・納期
Standard Bulk $45/本 25本以上・未開封品のみ・約75営業日
Standard $50/本 申告価値$2,500まで・約75営業日
WalkThrough $150+申告価値の2% 上限なし・約10営業日

このほか国際物流・保険・返送の実費がかかります。日本への返送料金は本部回答と公式料金表で確定情報が取れました(2026年10月14日時点)── 返送はFedExで、CGC手配の輸送保険つき(補償上限$50,000)。重要なのは1箱に収まるのは最大10本で、10本を超える提出は10本以下の単位に自動分割され、箱ごとに返送料がかかる点です。国際返送の料金は申告価額の合計で変わり、合計$5,000まで(FedEx Economy)は1本$80・2〜5本$110・6〜10本$150、$5,001〜25,000では各+$5です。つまり単品だと返送だけで1万円超、10本まとめれば1本あたり2,000円台── 提出本数は10の倍数で揃えるのが最も効率的です。なお自分の配送アカウントでの返送も選べますが、その場合CGC側の保険が付かないため、高額品ではおすすめしません。

もう1つ重要な確認が取れています ── 本部回答によればCGCの東京オフィスは現在開設準備中です(追加確認でも「開設時期のめどは未定」・2026年10月14日時点)。PSAジャパンと合わせ、国内受付の入口が二正面で準備されている状況で、国内で完結する日が来ればハードルは大きく下がります。また、CGCにはディーラープログラム(鑑定料15〜25%割引など・業界リファレンス2件が必要)があり、継続的にまとまった本数を出す事業者はコストをさらに下げられます。

なお、CGCのスラブはゲーム分野ではPSA(旧WATA)ほどの市場プレミアムがまだ付きにくい、という点は売却前提の方は考慮してください。

ルート4 : VGA ── ファミコン・ゲームボーイを出せるもう1つの現行ルート

VGA(Video Game Authority、運営はCGA)はWATA以前からの老舗鑑定会社です。当サイトからの問い合わせに対する同社の回答(2026年10月8日受領)で、次の点が確認できました。

つまり2026年11月時点で、ファミコン・ゲームボーイを日本から鑑定に出せる現行ルートはCGC(ルート3)とVGAの2つです。使い分けの目安は、納期の速さとバルク下限の低さならVGA(約30〜45日・20本〜)、グループの鑑定インフラと会員割引ならCGC(約75営業日・バルク25本〜)。スラブの市場プレミアムの比較は「ゲーム鑑定会社3社を徹底比較【2026年】── PSA・CGC・VGA、どこに出すと高く売れるのか」で詳しく扱っています。

ただし注意点が2つあります。第一に、関税の扱いは同社の申告運用であり、公式な保税プログラムとして明文化されたものではないため、高額品ほど万一の課税リスクを織り込んで判断すべきです。第二に、VGAのスラブはゲーム分野の市場プレミアムがPSA(旧WATA)に劣る傾向がある点です。「今すぐ鑑定できる」価値と「PSAの国内受付を待って最大の市場評価を取る」価値の比較が、このルートを使うかどうかの判断軸になります。

機種別の現実解(2026年10月時点)

持っているソフト 現実的な選択肢
ファミコン・GB・GBA 基本戦略はPSAの国内受付開始を待つこと。急ぐ場合はCGC(ルート3、2026年1月から対応)またはVGA(ルート4、GBAも受付確認済み)へ国際提出(どちらも市場プレミアムがPSAに劣る点は織り込む)
スーパーファミコン・N64・サターン CGCへ国際提出(米国オフィス直送)で今すぐ鑑定可能。まとまった本数なら$45バルクも視野
米国版・欧州版ソフト CGCの対応範囲が広い。PAL版はNES・SNES・GB系も対応

よくある失敗と注意点

  1. 申告価値を適当に書く ── 保険金額と関税・手数料の基準になります。低すぎると事故時に泣き、高すぎると費用が無駄になります。直近の実売データ(eBayのsold履歴)を根拠にしてください。
  2. 梱包が弱い ── 鑑定前の品は「現状」がすべてです。輸送中の角潰れ1つでグレードが変わります。
  3. 再シュリンク品をつかんでいた ── 未開封として買った品が偽装封緘だった場合、鑑定で発覚します。鑑定会社の判定が最終で、費用は戻りません。購入時点で封の仕様(メーカーごとの折り方・糊付け)を確認する癖を。
  4. 対象外タイトルだった ── PSAはタイトルデータベース制で、日本版の対応範囲は拡大途上です。提出画面で事前に確認してください。

よくある質問

Q. 鑑定費用の総額はいくら見ておけばいいですか A. CGCの米国オフィスへ出す場合、鑑定料(バルク$45〜)に往路の国際送料・保険と返送料が加わります。返送は1箱10本上限・箱単位の課金のため、総額は本数でかなり変わります ── 単品では返送$80が直撃して総額2万円台半ば、10本まとめると1本あたり1万円強が目安です($1=160円換算)。まとめて出すほど下がる構造なので、提出は10の倍数が効率的です。詳細は「レトロゲームの鑑定費用はいくらかかる?ルート別の総額と「元が取れる条件」を計算【2026年】」で解説予定です。

Q. 鑑定済みの品はどこで売れますか A. 現状はeBay(世界)と Heritage Auctions(高額品)が中心です。日本国内の鑑定済みゲーム市場はこれから立ち上がる段階です。

Q. いま鑑定に出せないファミコンソフトはどう保管すればいいですか A. 直射日光・高温多湿を避け、箱の角に荷重をかけないこと。未開封品はシュリンクに触れる頻度を最小限に。詳しくは「未開封レトロゲームの正しい保管方法 ── 価値を落とす4つの敵と今日からできる対策」(近日公開)で解説予定です。

まとめ

レトロゲーム鑑定ガイドでは、PSA・CGCの受付状況を継続的にウォッチし、変化があり次第この記事を更新します。

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